不当な M&A 取引を防止するため、2024年10月1日より開始した、
不適切な譲受け事業者の情報共有の仕組みです。
- 1不適切な譲り受け側に関する情報共有の仕組み「特定事業者リスト」とは
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特定事業者リストは、譲り受け側がM&A取引を濫用して譲り渡し側またはまたはその関係者に損失を与える等の事案が発生すると適切なM&A取引の実現に疑義を生じさせることになることから、そのような事態を回避するために不適切な譲り受け側に関する情報を共有するための制度です。
特定事業者リストは、2024年10月1日より開始し、2025年4月1日に中小企業庁財務課「不適切な譲り受け側に係る情報共有の仕組みについて」(2025年2月、https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/m_and_a_guideline/ver03_s01.pdf)において明示された国の期待に応えるべく、当該文書に準拠して大幅改訂されました。
M&A取引において、所定の事由が発生した場合、当該取引における譲り受け側の情報を協会が管理する「特定事業者リスト」に登録します。
そして、特定事業者リスト利用者が取引の判断を行う際に特定事業者リストの登録情報を活用することになります。
- 2特定事業者リスト開始の背景
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近年、中小企業の後継者問題の解決策のひとつとしてM&Aが広まり、企業の成長戦略の手段としても活用されるようになった一方で、不適切な譲受け事業者 (※) の存在が問題になっています。
M&A支援機関協会では会員に向け、このような不適切な事業者の依頼は受けない、関与しないよう注意を呼びかけ、顧客企業及びその利害関係者の被害防止に取り組んでいます。
M&A支援機関協会はM&A業界の自主規制団体として、不当なM&A取引の防止に関する取り組みをさらに強化することで、M&A支援の質と、業界全体の信頼性を高めることを目指します。
※不適切な譲受け事業者・・・M&A に関連して違法と疑われる行為(例えば、M&A の成立後に譲り渡し側の資金を個人口座に送金する等)、最終契約に定めた義務の不履行・M&A 実施後に当事者双方が M&A 実施前に想定していた内容と異なる事業運営(例えば、譲り渡し側の経営者保証を譲り受け側に移行させる想定であったにもかかわらず移行しない等)を行う譲り受け側事業者のこと。
- 3特定事業者リストへの登録事由
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特定事業者リストに登録されることになる事由は以下のとおりです。
1号事由
- 譲り受け側と譲り渡し側との間で、譲り渡し側の関係者の負担する保証債務および抵当権その他の担保権(以下「保証債務等」という。)の解除がM&Aの最終契約までに合意されたにもかかわらず(努力義務として合意された場合も含む。以下、「解除合意等」という。)、M&A取引の実行日から60営業日を経過しても当該保証債務等が解除されていないこと(譲り受け側が金融機関等に相談等を行った上で解除されない場合を含む。)。
- 譲り受け側が認識していない保証債務等がM&A取引の実行後に判明した場合には、判明した日から60営業日を経過しても当該保証債務等が解除されていないこと(譲り受け側が金融機関等に相談等を行った上で解除されない場合を含む。)。
2号事由
- 解除合意等がなされたにもかかわらず、M&A取引の実行日から10営業日を経過しても、譲り受け側が金融機関等に保証債務等の解除について相談(解除に向けた具体的申し入れであり、挨拶・日程調整はここには含まれない。以下同じ。)を行わないこと。
- 譲り受け側が認識していない保証債務等がM&A取引の実行後に判明した場合には、判明した日から10営業日を経過しても、相談を行わないこと。
3号事由
- 銀行借入の保証債務等に関して、解除合意等がなされ、譲り受け側が金融機関等に保証債務等の解除について相談を行ったものの、金融機関等が解除できないと判断した場合または解除にあたって条件が付けられる場合において、そこから20営業日以内に、当該譲り受け側が借換・一括弁済、解除にあたっての条件の充足等の自らの負担による当該保証債務等の解除を実施しないこと。
4号事由
- 名義の如何にかかわらず、M&A対価を分割払いにする場合、または退職慰労金を後払いにする場合で、支払要件が期日の到来のみとされているにもかかわらず、当該期日を経過しても支払いがなされないこと。
5号事由
- その他、明らかな資金不足によるM&Aの実施、最終契約において合意された未決済事項の不当な履行拒否、解除合意等の不当拒否等の保証債務等の未解除に至る可能性の存在、M&Aを利用した譲り渡し側情報の不当な抜き取りおよび不当使用、M&A後に譲り渡し側から資金を抜き取る一方で必要な運転資金を入金しない等、譲り渡し側に損害を与えるおそれのある不適切な譲り受け側であると認められること、かつ、当該案件の譲り受け側の行為が悪質かつM&A取引に関連して譲り渡し側またはその関係者に重大な損失または悪影響を与え、M&A取引の健全性を著しく阻害するものに該当すること。
- 4特定事業者リストへの登録手続の流れ
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特定事業者リスト利用者には、M&A支援業を営んでおり、一定の報告義務を負っている「本制度参加会員」と特定事業者リストの利用のみを行う者がいます。
本制度参加会員が自らM&A支援業を行った案件について、上記の登録事由が生じたことを知った場合には、協会に報告する必要があります。
1~4号事由に該当する場合は、協会に報告がなされた後、直ちに特定事業者リストに登録されることになります。
5号事由に該当する場合は、協会において調査が行われ、当該案件の譲り受け側に弁明の機会を付与した上で、当該譲り受け側の行為が悪質かつM&A取引に関連して譲り渡し側またはその関係者に重大な損失または悪影響を与え、M&A取引の健全性を著しく阻害するものに該当するかどうかの判断が行われた後に特定事業者リストに登録されることになります。
また、本制度参加会員からの報告によらず、協会が独自に登録事由を知った場合にも同様の流れで特定事業者リストに登録されることになります。
- 5特定事業者リストに登録される情報
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特定事業者リストには、社名、法人番号、代表者名、役員名、登録日、登録事由、備考(現在の状況、原因解消措置等)が最低でも10年間継続して登録されることになります。
- 6特定事業者リスト利用者一覧 合計77社(2025年4月25日時点)
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■ 本制度参加会員
- アイアールアイM&Aコンサルティング株式会社
- 株式会社青山財産ネットワークス
- アカツキパートナーズ株式会社
- 株式会社アシブネ
- インクグロウ株式会社
- インテグループ株式会社
- 有限会社インレット
- 株式会社AGSコンサルティング
- ABNアドバイザーズ株式会社
- NBR合同会社
- 株式会社M&Aエグゼクティブパートナーズ
- 株式会社M&A会計ファイナンス
- M&Aキャピタルパートナーズ株式会社
- 株式会社M&A共創パートナーズ
- 株式会社M&Aコンサルティング
- 株式会社M&A承継機構
- 株式会社M&A総合研究所
- 株式会社M&Aフォース
- 株式会社M&Aプライムグループ
- 株式会社M&A Properties
- 株式会社M&Aベストパートナーズ
- M&Aロイヤルアドバイザリー株式会社
- 株式会社MJS M&Aパートナーズ
- En improvement栄合同会社
- 株式会社OAGコンサルティング
- Office Saito
- 株式会社オンデック
- かえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社
- かがやきM&A株式会社
- 九州M&Aアドバイザーズ株式会社
- クレジオ・パートナーズ株式会社
- グローウィン・パートナーズ株式会社
- グローバリューパートナーズ株式会社
- 株式会社経営承継支援
- 株式会社さかい経営センター
- 株式会社CCイノベーション
- 株式会社CBコンサルティング
- 株式会社CBパートナーズ
- 株式会社事業承継パートナーズ
- 株式会社シードアドバイザリー
- ジャパンM&Aソリューション株式会社
- 株式会社CINC Capital
- 株式会社ストライク
- 谷公認会計士・税理士事務所
- TSUNAGU株式会社
- 株式会社TBC
- 有限会社長野県M&Aセンター
- 中之島キャピタル株式会社
- 長野信用金庫
- 株式会社日光コンサルティング
- 株式会社日本M&Aセンター
- 株式会社日本提携支援
- 株式会社NEWOLD CAPITAL
- NOBUNAGAサクセション株式会社
- Byside株式会社
- 株式会社バトンズ
- ビジネスサクセション株式会社
- ひまわりパートナーズ株式会社
- 株式会社ヒルストン
- ファイブ・アンド・ミライアソシエイツ株式会社
- 株式会社fundbook
- 株式会社フォーバル
- 株式会社船井総研あがたFAS
- ブルーバード合同会社
- 碧海信用金庫
- 株式会社北海道総合経営研究所
- みさわ財産コンサルティング株式会社
- みつきコンサルティング株式会社
- 株式会社みどり未来パートナーズ
- みらいエフピー株式会社
- 名南M&A株式会社
- Mainstay Partners株式会社
- 株式会社矢橋コンサルティング
- 株式会社ユーザーサービス
- 株式会社LifeHack
- LINK株式会社
- 株式会社レコフ
■ 本制度参加会員以外
Privacy policy個人情報保護方針
一般社団法人M&A支援機関協会(以下「当協会」)は、以下のとおり個人情報保護方針を定め、個人情報保護の仕組みを構築し、運営に関わる者に個人情報保護の重要性の認識と取組みを徹底させることにより、個人情報の保護を推進いたします。
※「営業日」とは、銀行休業日以外の日です。銀行休業日とは、銀行法第15条第1項および銀行法施行令第5条第1項に基づき、日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日、12月31日から翌年の1月3日までの日および土曜日をいいます。
※各要件の期間を計算する場合、初日は不算入とします。