2024年1月1日より順次施行、「倫理規程」および「広告・営業規程」、
「コンプライアンス規程」、「契約重要事項説明規程」の自主規制ルールです。
■倫理規程
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会員のみならず、業界全体で遵守すべきと当協会が考える職業倫理を定めるもの。
規程内容
- 法令等の遵守
- 品位の保持
- 利益相反事項への対処
- 顧客利益の最大化
- 依頼者との契約
- 秘密の保持・情報の管理
- 営業及び広告
- 教育・研修
- 会員の責務
- 協会の責務
■業界自主規制ルール
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広告・営業規程
会員が行う広告・営業等の適正化により、中小M&A業界が品位を保持し、信頼を確保することで、その健全な発展と地位の向上を図り、依頼者の利益を保護する目的で定めるもの。
規程内容
第一章 通則
第二章 広告
第三章 営業
- 営業上の秘密保持
- 営業上のインサイダー取引の防止
- 企業に関する重要事項の説明
- 営業の進捗等に関する報告
- 営業上の伝達
- 最適なマッチングの実現
- M&A成立後のリスク事項に対しての説明義務
- 営業全般に関する禁止行為
- 仲介契約の締結に向けた営業に関する禁止行為
- 仲介契約の不当利用に関する禁止行為
- 利益相反に関する禁止行為
- 不正な競争に関する禁止行為
第四章 雑則
コンプライアンス規程
会員が倫理規程の精神に則り行動規範を示すとともに、各会員の役員・従業員が遵守すべき事項の指針を示すことを目的に定めるもの。
規程内容
- 目的
- 定義
- コンプライアンス体制整備及び実効性の確保
- 利益相反行為の防止等、依頼者の利益保護の場面の体制整備
- 適切な報酬及びその説明
- 秘密保持・情報管理
- インサイダー取引の防止
- 反社会的勢力との関係遮断
- 人権の尊重
- 業法の遵守
- 会計・税務の正確な記録
- 腐敗の防止
- コンプライアンス教育
- 小規模会員の特例
- 協会による調査
契約重要事項説明規程
中小M&Aにおける譲り渡し側・譲り受け側と仲介者との間の仲介契約及び取引の内容等についての留意事項を示すとともに、会員が依頼者に対して実施すべき重要な事項の説明について、その具体的な実施方法・内容等を明らかにすることで、M&Aの円滑な実現のための依頼者の理解を促進する目的で定めるもの。
規程内容
- 目的
- 定義
- 契約重要事項説明の実施範囲
- 契約重要事項説明の方法等
- 仲介契約とFA契約の違いと特徴
- 仲介業務の範囲・内容
- 依頼者が仲介者に対して支払う手数料並びにその支払の条件、時期及び方法
- 秘密保持に関する事項
- 専任条項に関する事項
- 直接交渉の制限に関する事項
- テール条項
- 契約期間、更新及び中途解約に関する事項
- 責任(免責)に関する事項(損害賠償責任が発生する要件、賠償額の範囲等)
- 依頼者との利益相反のおそれがあるものと想定される事項
- インサイダー取引
■株式譲渡契約書(サンプル契約)
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昨今、不適切な譲り受け側事業者問題やM&A支援機関の急増により、適切な契約条項の普及が急務となっています。当協会は2024年9月、不適切なM&A取引を防止するため、自主規制ルール広告営業規程附則3項にて経営者保証解除に関するサンプル条項のみ公表いたしました。しかし、網羅的にM&A契約全体をカバーするサンプル契約へのニーズが高まったことなどを背景に、自主規制ルール検討委員会にて検討を行い、現在は2種類のサンプル契約を公開しています。
当協会は、M&A支援機関によって生じる契約書の内容や品質の差の解消に貢献し、業界全体の役務水準の向上を目指します。また、今後も引き続きさまざまなニーズに応じたサンプル契約の検討を進めます。
なお、本サンプル契約は参照用であり、使用を必須とするものではありません。
(サンプル契約1)
目的及び定義/対象株式の譲渡/表明及び保証/本件株式譲渡の実行前の義務(経営者保証解除に関する事前相談など)/本件株式譲渡の実行の前提条件/本件株式譲渡の実行後の義務/付帯合意/解除及び損害賠償/特定事業者リストへの情報提供条項(20条6項)/一般条項など
(サンプル契約2)
本件株式譲渡/本件株式譲渡の前提条件/本件株式譲渡に関する表明・保証/誓約事項/譲渡後2か月以内の経営者保証の解除(11条1項)/経営者保証未解除の場合における売り手の契約解除条項(11条4項)/補償等の請求及び解除/特定事業者リストへの情報提供条項(15条5項)/その他の条項など